更新日:2025年06月13日
留学?海外研修
卒業生のご活躍 ~中国人民大学への交換留学を経て~ Part.1
本学の交換留学プログラムを活用して中国人民大学への交換留学を行い、その後国際学研究科を修了後、交換留学を行った中国人民大学 外国語学院の博士後期課程で初めての外国人修了者となった卒業生 粟野友絵さんに、これまでの経験を振り返っていただきました。
略歴:
2011年4月 共立女子大学 国際学部へ入学、中国文化や社会に関する専門的な学修を開始
2013年9月~2014年1月 中国人民大学へ、本学より初めての交換留学生として派遣
2015年3月 共立女子大学 国際学部を卒業
2015年4月 共立女子大学 国際学研究科へ進学
2017年3月 共立女子大学 国際学研究科を修了
2017年9月 中国人民大学 外国語学院 博士後期課程に進学
2025年6月 中国人民大学 外国語学院 博士後期課程を修了(予定)
2025年9月 中国の浙江大学において日本語教諭として勤務(予定)
高校の頃から外国に興味を持ち、留学に興味を持っていましたので、大学受験も留学プログラムに力を入れている大学を志望しました。李錚強教授のゼミで中国について学び、中国の大学生がまるでアニメに出てくる「学園都市※」のような生活を送っていることを知り、自分も体験してみたいと思って中国の留学プログラムに応募しました。
中国人民大学は、中国国内の大学の中でもトップクラスに位置する一流大学で、男女比率は女性がやや多めです。北京の中心部にキャンパスを構えており、共立女子大学の他にも、東京大学?早稲田大学?上智大学?千葉大学?北海道大学?同志社大学?名古屋大学?九州大学など日本の大学と協定を結んでいます。共立女子大学ならではの特典として、交換留学制度により相互の授業料が免除され、返還の必要のない奨学金が給付されます。大学三年次に初めて中国人民大学に留学することを決意しました。
※中国の大学のキャンパス内には学生寮や研究施設だけでなく、飲食店やスーパー、美容院、銀行、ジムまで揃い、一つの都市のように機能していて、実家が近い学生も含め、中国各地さらには世界中から集まった学生たちが共に暮らし、活気あふれる雰囲気の中で学びや交流が日々繰り広げられています。
留学時に所属していた説話文学会の55周年を記念して、中国人民大学で特別大会を開催することが決まり、会場設営と学会のしおり作りを担当しました。参加者が北京のお寺を見学する予定だったので、しおり制作のために事前に現地を訪れて下見を行い、資料や文献を集めました。ゼミの先生に何度もチェックしていただき、最終的には学術的にも観光的にもバランスの取れたガイドブックを作成でき、『説話文学研究の最前線:説話文学会55周年記念?北京特別大会の記録』(文学通信、2020年)に、作成した「北京所在の遼代の寺院をめぐって―旅のしおり」が収載されました!参加者からは好評の感想をたくさんいただき、貴重な経験となりました。留学中に学会運営に関わり、学会デビューを果たしたことは今でも印象に残っています。
留学前に共立で感想用紙を提出する授業があり、自分の意見を短時間でまとめ、相手に伝える力が培われていました。おかげで留学中に様々な「どうして?」や「なぜ?」に対応することができました。
私の場合、ずっと実家暮らしをしていたので、留学によって「自立」出来たことが大きかったと思います。留学を通じて得られるであろう学修面の成長はもちろん、家事や食事から問題発生時の解決策、金銭感覚まで、色々な点で留学は今までの自分を見つめ直すきっかけとなりました。
語学力の向上について、中国語の唄を唄って、発音や漢字を勉強しました。留学先では休み時間に中国人の友達と一緒にカラオケに行き、中国語の唄を練習しながら、親睦を深めました。
私の異文化適応は食事から始まりました。中国に「民以食为天(民は食を以て天となす ※食ほど大切なことはないという意味)」という諺があります。中国の味付けは日本と異なりますので、現地の人と同じ物を口にすることから少しずつ、食事に慣れ、中国の生活に順応していきました。今では、中国人と同じ感覚で料理を味わうことが出来、色んな食文化を楽しんでいます。
学生生活で身に付けた語学スキル、そして何よりも授業で培われたプレゼンテーション能力や情報処理能力が卒業後も役に立ちました。学会発表の場で良いプレゼンが出来、「分かりやすい」と称賛されたことが一番嬉しかったです。
免許や資格は出来るだけ卒業までに取ればよかったと思います。他にも、美術館や博物館、旅行や映画などを楽しむことも、学生なら学割が使えるので、有効に活用した方がお得です!これから長い大人の人生、心と財布が痛みます。
留学は事前準備が一番大変ですが、渡航前の準備を怠らないことが要となると思います。留学に興味を持ち始めたらすぐ、行動に移すことが肝心です。説明会に出席し、先生やOGから情報収集し、自分の卒業と就活に支障がないよう計画を立てることが良いと思います。
また、親にも留学の目標や計画、これは語学に限らず、自分が留学先で何をしたいのか、留学先のどんなことに興味を持っているのかについて、具体的に言葉にして伝えることで、留学へのイメージが鮮明になり、目標に近づくことができます。
(留学先が中国の場合、お土産はカップヌードルがおススメです!)
留学には不安もありますが、それ以上に、新しい世界を知る楽しさや、自分の可能性を広げるチャンスが詰まっています。漢字や文化が似ている中国なら、きっと親しみを感じながらも、新しい発見に満ちた学生生活が待っているはず。心が躍るような毎日を、一歩踏み出して掴んでみませんか?