福井の「食」を伝えるプロジェクト
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打ち豆とは、福井県に伝わる伝統食品の一つです。大豆を潰して乾燥させたもので、福井県では古くから伝統的な大豆の保存食として豆腐や油揚げと一緒に食卓に打ち豆が使われてきました。大豆を潰すことで調理時間が短くなり、また、大豆の栄養が汁中に溶け出て他の具材の旨みを引き立ててくれるという、先人の知恵から生まれた機能調理性の高い食材です。 打ち豆は、大豆を原料とした加工食品です。原料の大豆には大豆ぺプチン、大豆イソフラボン、大豆サポニン、ポリフェノールといった成分が含まれています。 通常の大豆は一晩水に漬けてから煮て使用するため、調理に時間がかかる上、水溶性の栄養成分の多くは煮汁に溶け出てしまいます。一方、打ち豆は下処理なしに他の食材と一緒に10分間程度加熱すれば柔らかくなり、栄養成分を余すことなく摂取することができます。また、打ち豆を水で加熱すると、15分間の加熱で総ポリフェノール量が増加し、抗酸化能が強くなります。このことから打ち豆は良質な栄養成分を含んでいるため、多様な調理に利用可能であり、調理時間も短くて済むという利点があります。また、打ち豆から出る出汁は料理の味に深みを与え、普段の料理にプラスしたり、砕いてトッピングしたりするだけでも栄養価が上がります。さらに乾物のため保存がきき、手軽に使用することができます。 参考:越前打豆本舗 越前打豆の歴史と栄養「打ち豆とは」「栄養と機能」2007 https://www.uchimame.com/history_01.html 25 調理学研究室「卒業演習」履修者学生考案 打ち豆レシピ 2019年度 共立女子大学家政学部食物栄養学科 栄養と機能性 打ち豆

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