
初めは「フランス語が話せると言えたらかっこいいな」という簡単な理由でしたが、幼い頃から音楽や芸術に興味があったことから、その興味を「もっと学術的な視点からも学んでみたい。他人と違うことがしたい。まだ学んだことがないことを学びたい。」と思ったことが、文芸学部文芸学科フランス語?フランス文学専修を選んだ理由です。在学中はたくさんの芸術や文化に触れることで、自分の興味の幅に奥行きが広がりました。また、この専修を選んだもう一つの理由は、先生方の学生の心を強く掴むような楽しい授業を受けることができるからです。文芸学部は、例えるなら太陽に向かって同じ方向に咲くひまわりのように、学生全員が同じ目標に向かって、同じ熱意を持って学ぶアットホームな雰囲気に満ちていて、「学生時代に自分の興味を伸ばすならここだ!」と思えたことが決め手になりました。
後に本学で学芸員資格を取得できるということを知り、2年次から資格取得のための授業を履修しました。きっかけになったのは「西洋美術史」です。この授業では、絵画に秘められたストーリーや作者が込めたメッセージを絵から読み取ることで美術作品を通して、描かれた国の宗教性や作者の想いを同時に垣間見ることができます。また、美術作品はフランス文学と通じていることが多々あり、授業を通して知識の幅を広げる機会にもなりました。作品を裏方として支える学芸員の仕事を学ぶことは美術を知ることに通じるということにも気づけました。「西洋美術史」を学んだ時間は、私の人生の選択における可能性の幅を広げるきっかけとなった、とても大切なものです。
フランス語を積極的に活用できる場を求めて行動し、授業に出席することに精を出しています。中でも同じフランス語?フランス文学専修で学ぶ友人とともにフランス語スピーチ大会に出場したことがとても良い経験になりました。母国語ではないフランス語を話すことは、容易ではないと思うこともありましたが、出場したことで感じることがありました。
フランス語を話すこと-それは、相手に自分の気持ちを的確に伝えることの難しさや、同じ言葉であっても伝え方一つで相手の心への響き方は大きく変わる-ということです。難しいことに挑戦することは、挫けそうになるときもありますが、皆で同じ目標に向かって励む授業や活動に時間を費やすことによって、それを自分の強みに変えられる経験になりました。
高校を卒業し、大学に入学した2020年がちょうどコロナ禍と重なり、当時通えなかった自動車教習所に今年の7月*から通い始めました。時間の自由がある程度利く学生の特権を使って、現在、普通自動車第一種運転免許の取得に向けて奮闘中です。
“相手の気持ちに寄り添える”そんな人になることを目標としています。卒業後、私は宝飾品業界で接客の仕事に就くことになりました。就職活動期間中に、エントリーをしていた企業の店舗へ実際に足を運び、応対してくださったスタッフさんの接客術に感銘を受け、「このような素敵な方と私も一緒に働きたい」と強く願ったことが志望動機になり、憧れの職場の内定をいただくことができました。
本学で4年間フランス語を学んだことを通じて、人の気持ちを汲み取り、自分の言葉を伝えるということの難しさを体感しました。お店にご来店くださるお客様や、また身の回りの大切な人と過ごす時間を特別な時間にできるように、これからも頑張り続けたいと思います。
人生の舵を取ることはとても難しく、大学4年間で自分の進路を決断するということは、例えるなら何も持たずして暗い森の中を進むようなものです。しかし、興味のあることを追求したいという気持ちが大きければ大きいほど、成功へのチャンスは必ず巡ってくるはずです。自分の理想の扉を開けることのできる鍵を見つけられるのは4年間と短くはあるものの、同時に社会に出る前の大切な予行演習の時間でもあります。
最初は誰でも、どの道に進むべきなのか悩まない人はいませんし、私もその中の1人でした。焦らずご自身のペースで進路を決めて大丈夫だと思います。
友人と過ごすかけがえのない学生生活でのお時間と、思い出作りと併せて、ご自身の持っている個性を一番発揮できる場所を探せるよう応援しております!
* 2023年10月取材
(2024年3月掲載)