
現役の幼稚園教諭である母の影響で、当初は同じ仕事に就きたいという思いがありました。それが小学校教諭に目標が切り替わったきっかけは、15年間習っていたクラシックバレエでの後輩との関わりです。単に素直で可愛い幼い子どもが好きなだけでなく、「教えたことを相手ができるようなる喜び」を知ったことから、教えることも好きだと気付き、幼稚園教諭免許状、保育士資格に加えて小学校教諭免許状を手にすることができる共立女子大学で学ぶことを目指し、入学しました。入学後、実習やボランティアに数多く参加して幼児教育、保育教育の現場を体験するうちに、児童が目標を達成するために試行錯誤しながら頑張る姿と、それをサポートすることで児童の力を無限に伸ばそうとする教師の姿に感銘し、小学校教諭の道に進むことを目指すようになりました。
今年度*は5年生を受け持つ担任で、クラスの1日は朝の会の健康観察で、児童の健康状態を確認することから始まります。英語を含めたすべての教科を指導し、休み時間は子どもたちとの遊戯や、実行委員など学年のリーダーが集まる会議に出席するなどして費やします。給食や掃除の指導も担任の仕事です。翌日以降の授業の準備、学年の先生たちとの会議への出席、課題の採点を放課後に済ませて、教員としての私の1日は終わります。
毎日がやりがいを感じることの連続なので選択に迷いますが、強いて挙げるとすれば、「子どもたちの成長を、最も近い位置から長期間に渡って眺めることができる」ことです。例えば、学級会で話し合いのルールや進め方を、子どもたちならではの失敗を経験することで学び、上手くなっていく子どもたち。そこから得たことを授業にも活かして、更には下級生に伝え、受け継ごうとする姿がありました。子どもたちが自分たちのチカラで成長し、翼を広げようとする様子に私は胸が熱くなりました。
今に活きていないことは何一つありません。1年生の担任の際は、入学前の幼児期との接続性を常に意識して授業に臨み、友だちとの関わり方を指導しました。これは所属したゼミで研究活動にあたり、卒業論文等を指導してくださった白川佳子先生に教わりました。音楽の授業を私のクラスでは、教科書や指導書通りに進めるのではなく、子どもたちが楽しみにしてくれる時間にできたのは、学生時代に苦戦したピアノの実技指導をしてくださった村上康子先生のおかげです。そして、木村秀先生の講義の冒頭でのソーシャルスキルトレーニングは、学級経営で生じた課題を解決する術として導入すると必ず効果が現れています。教職に就く者が、すべての学齢の子どもたちと関わる上で忘れてはならないことは、3つの姿勢「受容」「共感」「傾聴」です。そのような大切なことを、4年間に渡って指導してくださった児童学科のすべての先生方に感謝申し上げます。
今、小学校の教育現場でもアンケートの集計や高精細カメラ、動画などICTの活用が進み、広がっています。私たち教員も、それに呼応するように日々学び続けなくてはなりません。社会のグローバル化に応えることができるように英語の学習も必須です。私は今後も、子ども一人ひとりに目を配って大切にし、新しいことにもチャレンジする、学び続ける教員を目指しています。
共立の魅力、その一つは一人ひとりの学生に丁寧に接し、指導してくれるということです。教員採用試験に向けて私は、児童学科で十分なほど面接の練習を積み重ねました。しかし、それでも心配になって学生支援課キャリア支援グループに足を運び、職員の方に相談したところ、その方は私が受験する予定の自治体の教員採用試験の情報を収集し、対策を立て、その上何度も面接の練習に応じてくださるほど熱心でした。また、好立地による恩恵にも魅力があります。都心にあるキャンパスには、全国の様々な地域から集まってくる学生と友人関係になれること、空きコマのちょっとした時間に都内の話題にスポットを巡るなどして、学生生活を満喫することができました。キャンパス内の私のお気に入りの場所は2号館にある図書館。キレイで広くて静かなので、落ち着いて調べものや課題に取り組むことができました。これを読んでいるあなたがオープンキャンパスに参加したということは、「興味のある学び舎に自ら足を運んだ」ということ。情熱的で、将来のことを真剣に考えていると言えるのではないでしょうか。気になること、迷うことがあれば職員や学生に気軽に尋ねてみてください。きっと真摯に向き合って、応えてくださいます。素敵な大学生活となりますように。
*2023年10月取材
(2024年3月掲載)