
市場調査や世論調査、企業調査などを手掛ける日経リサーチで、デジタルキュレーターとして働いています。日々更新される企業の膨大なデータを、先進的な技術と手法を駆使し、ビジネスパーソンにとって有益な情報に加工して提供することが私の仕事です。例えば、企業によって「売上高」の計上基準が違ったり、経営成績や財政状態を表す「決算書」の様式が異なっていたりします。それらを共通の基準で整理し、活用しやすい形にするのが現在の主な業務です。加工したデータは日経NEEDSというサービスを通して公表されています。実際の企業の決算情報を扱う中で、企業のビジネスモデルに数多く触れることができ、企業経営に関する知識が深まっていく点に楽しさを感じます。メインの業務以外では、業務自動化ツールの開発にもチャレンジしています。
一番役に立っているのは、統計学のゼミナールにおける学びです。データ分析やプログラミングを学修し、「J-POPの歌詞を分析して価値観を読み解く」という研究にも取り組みました。歌詞でよく使われている単語などから、アーティストの特色が見えてきて、データ分析の面白さを実感しました。研究の中で培ったプログラミングスキルや、データが示す意味を考える力、論理的思考力は現在の仕事に直結しています。今後の目標は会計とIT、両方の専門性を持ったビジネスパーソンになること。日々の業務を通して知識?経験を蓄積し、プロフェッショナルとして胸を張れるような人になりたいです。
日経リサーチの社風として、特定の分野だけでなく、さまざまな仕事に挑戦していこうという雰囲気があります。私もキュレーターだけではなく、マーケティング?リサーチや統計調査の職種にチャレンジし、キャリアを築いていきたいと考えています。
幅広い分野を学べることが、ビジネス学部で一番良かった点でした。大学で多くの分野に触れたことで、自分なりの専門性や好きなものを見つけることができ、卒業後の進路の選択肢が広がりました。また、同じ学部内であっても多様な専門性?価値観を持った学生がいます。そうした「人」との出会いも大きな魅力です。
ビジネスの主要4分野(経営、経済、マーケティング、会計)を横断的に学び、分野間のつながりを知ったことです。その知識があるからこそ、会計の数字を見て、その裏にある流通などビジネスの流れをイメージできるようになりました。今の仕事において、正しくデータを読み解く上で欠かせない力です。
(2025年2月掲載)