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文芸学部ニュース詳細

更新日:2025年04月18日

研究紹介

【文芸学部】2025年 電子情報通信学会 総合大会にて、文芸メディア専修谷田貝ゼミの4年生3名が学会発表を行いました

 

電子情報通信学会学会における講演論文の事前採択後、下記の大会にて4年生の卒業研究に関する研究発表3件を行ってまいりました。
いずれの発表も文芸学と情報通信工学の視座に立つ斬新な内容で、会場では大いに注目されました。
(電子情報通信学とは会員数3万以上の国内最大のIT系学会です。)

 

 

【学会名】 電子情報通信学会
(https://www.ieice.org/eng_r/index.html) 


【大会名】 2025年 電子情報通信学会 総合大会 - 人の知的な交流が技術を創る -
(https://www.ieice.org/jpn_r/activities/taikai/general/2025/)


【開催場所】 東京都市大学 世田谷キャンパス(東京都世田谷区)


【開催日】 2025年3月24日(月)~28日(金)
 

 

 

【発表学生①】中古文学上の恋心を喚起し古典嫌いを克服する教育コンテンツの開発と評価

メディア領域 文芸メディア専修 4年 谷田貝ゼミ所属
今村 紗彩 さん

 

タイトル:中古文学上の恋心を喚起し古典嫌いを克服する教育コンテンツの開発と評価
連名著者:今村 紗彩1、卯木 輝彦2、永岡 慶三3、米谷 雄介4、谷田貝 雅典1 (1. 共立女子大、2. 関西外大、3. 早大、4. 香川大)
掲載誌:2025年 電子情報通信学会総合大会 情報?システム講演論文集1
掲載ページ:D-15-04/p.74

研究概要: 今村さんは、現在の高校国語科において古典の原典を扱わなくなったことを愁い、どうしたら多くの高校生が古典文学の原典を読みたいと思ってもらえるのかと考え、2年生時より本研究に着手しました。
 本学会では、高校教育における「古典嫌い」が進む中、指導要領の改訂により古典の原典を学ぶ機会が選択科目のみとなってしまった現状から、これを克服するために、例えば、韓国アイドルに「恋心」をもつ愛好者が韓国語を習得するように、古典(主に中古文学)上の豊富な恋物語から「恋心」を喚起し古典の原典への興味を喚起することにより、高校生が古典の原典を学びたいと思える革新的な香るVR教育コンテンツについて開発経緯と学習効果測定結果を発表しました。本研究で開発したコンテンツは『源氏物語』に描かれた「恋」を追体験することが可能な「香り」を感じるVR(Virtual Reality:仮想現実)世界です。特に『源氏物語』における平安時代の貴族社会では「香り」が「恋心」のきっかけとなったことから、「香り」は「恋心」を喚起する最重要なファクターと位置づけ、再現する香りも原典をよく解析し登場人物に合わせた平安当時の香(こう)を再現していました。また、コンテンツの分析評価では、『源氏物語』に関する高校国語科の指導内容に即した学習効果測定を行い、多変量解析により分析した結果、香るVR教育コンテンツは、同定した「恋喚起没入感」因子が「主観学習理解度」因子を大きく正に規定するという結果を得、結論として『香り再現装置』による香るVR教育コンテンツが現代と平安時代を繋ぐ架け橋となり、古典学習への興味?関心や好感度などを促進する学習教材であることを述べていました。
 なお、今村さんは、これまでに学会発表や、研究コンペにおいても受賞歴があり、本研究に関する卒業論文も学部優秀論文「さくら賞」の佳作を受賞しました。大変努力家で、多方面に興味を持てる今村さんは、きっと就職された一流企業でも大きな成果を上げ、将来は多くの人の目標となるような人材となり、やがて社会をけん引するリーダーとして活躍されることと思います。

 

【発表学生②】2Dリアルタイムアバタによる遠隔国語授業の学習効果について

メディア領域 文芸メディア専修 4年 谷田貝ゼミ所属
加藤 愛偉 さん

 

タイトル:2Dリアルタイムアバタによる遠隔国語授業の学習効果について
連名著者:加藤 愛偉1、堀口 絢加1、藤本 彩華1、卯木 輝彦4、永岡 慶三2、米谷 雄介3、谷田貝 雅典1 (1. 共立女子大学、2. 早稲田大学、3. 香川大学、4. 関西外国語大学)
掲載誌:2025年 電子情報通信学会総合大会 情報?システム講演論文集1
掲載ページ:D-15-09/p.79

研究概要: 加藤さんは、卒業時に国語科(中学?高校)と情報科(高校)の教員免許状(一種)を同時取得しました。全国の大学でも両免許を在学中に同時取得できることは珍しく、本研究は、文芸学部ならではの教職課程での学びを背景とし「国語×情報」をうまく具現化した内容となりました。
 本学会では、今では当たり前となったリアルタイムオンライン授業の問題点を整理し、これを克服する方法として教師の映像をリアルタイムで2Dアニメーションアバタ化し、オンライン授業を実践した場合の教育効果について発表しました。COVID-19によるパンデミック禍において、急速に進んだ学校教育におけるリアルタイムオンライン授業は、先行研究より、教師と映像通信をすることから対面授業に比べ、受講者の積極性が削がれ、教師の顔色をうかがうことから疲労度も増すなどの負の側面が複数あることを調査し整理していました。特に本研究では、教師との「親しみやすさ」が授業への積極性や興味関心の向上に寄与することに着目し、教師の姿をリアルタイムで2Dアニメーションアバタに変換し、さながら先生がVtuber(Virtual YouTuber)で授業できる環境を構築していました。このような大変ユニークな学習環境下を実際の中学?高校にご協力いただき、国語科(現代文)の授業として、対面環境、オンライン環境、2Dアニメーションアバタ環境の3条件で実践し、学習効果測定試験(授業小テスト)および主観学習評価(授業感想?????)を協力いただいた生徒さん125名に実施し、その結果を多変量解析で分析し考察していました。得られた分析結果から結論として、対面環境が最も適した学習環境であり、今回の研究ではオンライン環境と2Dアニメーションアバタ環境では、学習効果および主観学習評価において有意な差は見いだせず、2Dアニメーションアバタ環境ではディレイ(遅延)が生じたことから通信およびシステム改善が必要であると述べていました(研究結果に対して大変正直かつ誠実な態度でした)。
 なお、加藤さんは、これから大学院に進学するとともに高校教員としても勤め、今後も教育現場におけるユニークな教科教育やICT活用教育に関する研究を継続するとともに、教育現場での実践技能も磨かれ、理論と実践の両立場を理解できる優秀な研究者兼先生になられることと思います。

 

【発表学生③】一側性難聴者向け装身具形態聴覚方向補装具のデザイン検討

メディア領域 文芸メディア専修 4年 谷田貝ゼミ所属
熊倉 珠琴 さん

 

タイトル:一側性難聴者向け装身具形態聴覚方向補装具のデザイン検討
連名著者:熊倉 珠琴1、藤本 彩華1、卯木 輝彦2、永岡 慶三3、米谷 雄介4、谷田貝 雅典1 (1. 共立女子大学、2. 関西外国語大学、3. 早稲田大学、4. 香川大学)
掲載誌:2025年 電子情報通信学会総合大会 情報?システム講演論文集1
掲載ページ:D-15-02/p.72

 

研究概要: 熊倉さんは、社会的に認知されにくい障がいに着目し、負担なく機能的な補装具であることと、補装具を誰もがつけたいと思うアクセサリー(装身具)に昇華させようという、まさに文芸学らしい着眼点を見出し、3年生時より本研究に着手しました。
 本学会では、片方の耳の音が全く聞こえない「一側性難聴」の方が、音がどこから来ているのかわからないという現状を助けるためのシステム(補装具)開発について発表しました。「一側性難聴」は、片方の耳でのみ音を判別するため、音の距離や方向といった音源位置の判別が困難な障がいです。従って、街中を歩いているときに後ろからくる車や自転車が、左右どちらから近づいてくるのかがわからず、命の危険にさらされることもあるそうです。よって、視界外の音源が左右どちらのものか判別できるシステム(補装具)を開発するのが本研究です。このような一側性難聴者への補装具開発は、すでに研究段階ではいくつか進められているものの、装着者への負担が大きい補装具や補装具自体が大きく目立つ概観であるなど、多々問題点もあることから、実用化に至っていないのが現状だそうです。また、一側性難聴は、日本においては障害等級認定基準外であり障がい者としての補助を受けられないことと、めだたない障がいであることから、実用的な補装具の開発が進んでおらず、かつ、多くの一側性難聴者が自己開示をしていないという現状もあるそうです。よって、本研究では、実用的な一側性難聴補装具を開発すると共に、自己開示をしていない方にも補装具としてではなくアクセサリー(装身具)として身に着けたいと思ってもらえるようなデザインを探るために、4形態の補装具をデザインし、多様な年代の方に装着時主観調査を実施していました(人の心や感性に着目する点が文芸学らしい所です)。得られた調査データを多変量解析した結果?デザイン好感度?因子が一番高かったのは帽子型であり、帽子の?デザイン好感度?因子が高い理由は?エイジレス?因子が大きく寄与していることから、帽子型の補装具が多様な方に受け入れて頂けることを結論として述べていました。
 なお、熊倉さんは、学部生でありながらすでに学究の徒であり、これまでに、本研究に関する複数回の学会発表を行っております。学会発表における質疑応答で得られた知見をもとに、堅実に研究を進歩させ、今後は大学院に進学し本研究の完成を目指されます。いずれ本研究の成果が多くの方々の役に立つとともに、文芸学に根差した素敵な研究センスが社会で大きく注目されることを楽しみにしております。

 

 最後に、以上3名の学会発表に当たり、連名者となってくださった先生方にはご丁寧なご指導を賜り、深く感謝いたします。また以上3件の研究は科学研究費補助金基盤研究 (C)の助成を受けて行ったものです。