2025年2月12日（水）、正課の「日本語教育を学ぶⅡ」の授業履修者が、みずほ台にある「こども日本語学習クラブ」の活動に参加しました。

　ボランティア体験に先立ち、学期中の2024年11月6日に、そのクラブの主催者で公益社団法人国際日本語普及協会（AJALT）の教師会員でもある松尾恭子先生をお招きし、外国にルーツを持つ児童の日本語支援についてお話しいただきました。言葉を使って自己表現の活動につなげる実践の様子は、大変興味深いもので、参加を楽しみにしていました。

　2月12日、活動拠点のセンターには午後5時になると、親御さんに連れられた中国やネパールの子どもたちが、三々五々と集まってきます。年齢の近い子どもの小グループにはボランティアがついて、話しながらレベルにあった活動をしています。共立生が参加する日と聞いて、去年かかわった中国籍のYちゃん（中学3年生）が塾の合間に顔を見せてくれ、嬉しい再会を果たしました。

　今学期「日本語教育を学ぶⅡ」を履修していた中国からの交換留学生Cさんは、帰国直前でしたが活動に参加しました。早速クラブの方に依頼され、中国語を活用しながら児童の支援にあたりました。子どもたちは母語でもわかってもらえることで、安心した様子を見せていました。　

Cさんの感想の一部を以下にご紹介します。

---ボランティア日本語教室参加レポート（一部）---

　お教室で最初にお話しできたSちゃんはとても明るい子だと思いました。9月25日に来日して（ちょうど私とほぼ同じ時期でしたが）日本語が分からないまま小学校に入ったのはどんなに大変だろうかと思いましたが、日本人の友達と毎日遊んでいるという話を聞いたら少し安心しました。

　「じゃ、友達の名前を書いてみましょうか」から、漢字の勉強に入りました。中国で小学校一年生をして来日したので、漢字をたくさん書けていますが、日本語の漢字と中国語の漢字、あるいは言い方の使い分けが時々できなかったことに気づきました。例えば、「うめ」の漢字を書くとき、すらすら書きましたが、「梅」ではなく、「梅花」という中国語を書いたのです。（中略）

　日本語と中国語が共通の漢字を持っていることをずっと面白く思っていましたが、しかし、Sちゃんのような年少者日本語学習者にとっては、ややこしいことでもあると実感しました。

　中学生2年生のUちゃん（日本語学習を始めたばかり）はまた違う雰囲気でした。中国語でお話ししていたのですが、それでも緊張感を少し感じました。動詞の活用（注：--ての形）について勉強していましたが、ルールを覚えるのが大変、もっと練習したいと言いました。そこで、Uちゃんの活動として「名前を教えてください」「書いてください」とボランティアの先生方に話しかけることにしました。一人ずつ名前と趣味を教えていただいて、さらに発表もできたUちゃんのことをかっこよく思いました。（中略）

　このように、複雑な文法を教えてあげるより大切なのは、人前で日本語を喋る自信を育むことだと考えました。

　後から来てくれたYちゃん（中学3年生で受験準備中）の「一番大変な時期は今」という一言も印象深かったです。試験に臨んで本気で頑張りたいという気持ちが伝わってきました。難しいこともきっとたくさんあるだろうと思いながら、YちゃんやUちゃんの頑張っている姿を見たら、思わず感動しました。

　私が助けになったかどうかわからないのですが、彼女たちがさようならを言ってくれる時キラキラして見える目は、本当に忘れられないと思います。

（後略）

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　日本語教師の需要が高まっている中、対象者別日本語教育の中でも年少者への支援は、その子の今後の学修も左右することになり、支援する側が知らなければならないことが多くあります。日本文化?表現コースでは、今後も日本語教育について多角的に学ぶ場を提供していきます。

プロジェクト名：「共立リーダーシップGP：日本語学習者を支援するボランティア体験」

代表教員：文科　日本文化?表現コース　教授　菅生早千江

共立女子短期大学　文科：https://www.kyoritsu-wu.ac.jp/academics/junior_college/bunka/

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